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■ワインとは 1]ロマンティックなお酒 私達が日常の暮らしの中でワインと聞くと、何かしらオシヤレで、ステキなイメージやロマンティックな雰囲気のお酒を思い浮かべるのはなぜでしょう? ビールや日本酒、焼酎やカクテル、ウイスキーやブランデー。様々なお酒の中でどうしてワインだけがこんなにもオシヤレなイメージを与えるのか、確かに不思議です。ただ、この世の中でおそらく人類が(アダムとイブ只降)最初に口にしたお酒はワインであったはず、そして、初めてお酒造りをしたのもワインのはずです。これが、我々とのロマンティックな結び付きの要素なのかも知れません。今でも本場ヨーロッパのワイン産地では、赤ん坊がこの世に生を受け、初めて口にするものは母親のお乳ではなく、赤ワインなのです。これもまた不思議なことです。 ではなぜミルクではなくワインなのでしょうか? これにはちゃんとした理由があります。古くから熱心なカトリックの信者たちは赤ワインはキリストの血であると考えていました。それに加えて中世必前のヨーロッパでは死産や眠り病く出産後に意識を覚醒しない新生児の病)の出産が大変多く、酸っぱくて渋い赤ワインが、味覚にデリケートな赤ん坊に刺激となって脳に伝達されたはずです。これは安定した母体の中に比べればかなりのショックなことになり、赤ん坊は大きな産声をあげ、無事に生命を育み生まれたことの証しとなります。こうしてワインの儀式を経え、家族に見守られながら、全員が額を十字にきり神に感謝する風習が現在でも大変多く見られます。伝統を重んじるワイン産地ではどこの国や地方でも古くから受け縦がれている習わしなのです。 これから、どうして人類よりワインの方が歴史が古いかについて、テキストを通し様々な疑問と同じように皆さんと学んで行こうと思います。 またこの他にもいろいろとワインがロマンティックな言われ方をする理由があります。まず、赤ワインやロゼワインの持つワイン独特な色あい。ワインレッド、ローズ・ピンク等、色調や色の深さは本当に幅が広く、まさに人間の血液の色のような深い赤から、少しグレーかかった透明な色のロゼワインまで本当に豊富です。それに加えて、重要なのは何にもまして、照かり、つまり輝き(反射)です。色調と深み、そして輝きを高いレベルで持ち合わせると、最高級ルビーが奏でるあのビジョン・ブラッドの赤さに決して引けをとらない、美しく魅惑的な赤をグラスの中に映します。 それはどんな宝石よりも、大きなボリュームで、揺れながらきらめき、鮮やかな赤をいつまでも眺めていられます。尚且つ、その宝石は馨しい香りを放ち、豊かな味覚とともに唇から、舌、喉へとすばらしい味覚を奏でながら体内へと流れて行きます。この一時が、ワインを愛する人々にとってはまさに至福の時であり、高級なワインが液体の宝石と呼ばれる由縁なのです。 勿論、大袈裟だと受け止められる方はいるでしょうが、物事には実質的な事柄より、より曖昧なものの見方の方が物の価値を大きく左右することがあります。そして、いつしかその曖昧なものが実質的なカを持ち得ることがしばしあります。特にこのお酒の世界はそんなことがよく起こります。 2]ワインの効用 例えば、ワインについてはこんなことが A 「男女でお酒を飲むならワインがいい。 ◇ワインを称える形容として、 「モンラッシュ。この偉大なる酒を前にした時は、膝まずいてからグラスに注げ!」 「こがね色に輝く黄金の丘から、金の滴がしたたり、今宵我は王になる。」 「CHラフイツト・ロートシルト。この地に、神が与えし小丘。」e t c 全部、ウソのようでホントのようでまことしやかに言われています。それらは古くからワイン好きの色々な人達によって語られていますが、個人的な意見としては疑うことの無い真実だと考えています。そして、そのスインクを聞いて、実際に自分もそう思えたら、それはかなり真理に近いということではないでしょうか。ワインの世界の中にはこのようなことが意外と多く存在します。それがまたワインの不思議です。
イギリスではワインを学ぶ事が男性よりも女性にむしろ義務があります。それは家庭の中で女性自身が作った料理を、より美味しく、楽しく食べてもらうためにもワインは欠かせない物だからです。花嫁修行の中で料理と同じ位しっかりとした授業もあります。 例えば、食卓に料理を1として、ワインを1とします。これらは本来2の価値が楽しめる食卓ですが、組み合わせによって3にもなり、4にもなりえます。また、その逆で、2以下にもなるのです。これこそがワインの持っている味の幅の広さであり、料理の持ち味に大きく影響するということを表しています。 3]ソムリエとは ここでは、少しソムリエについてお話しをします。ソムリエと聞くとこれもなんだかすごく難しくて人並みはずれた才能の持ち主で、華やかなイメージが浮かびますが、では一体ソムリエとは何か、一体どんな職業なのでしょうか、その答えは、次のようなものです。 ”レストラン・宴会ホール等の、ワインやその他の飲み物を専門にお客様にサービスする接客係。” テーブルに出される様々な料理に合うワインを選び、その互いの持ち味を引き立たせ合うことにより、食の喜びを提供する者。その他には葉巻やタバコ、チーズの選択やチョコレートのサービス等もあります。当然飲み物全般ですから、水(ミネラルウォーター)からジュース、シロップ、リキュール、ワイン、ブランデー、ウイスキー、コーヒー、紅茶、チーザーヌ(ハーブ・テイ)等様々な多くの物を管理し提供します。 食後酒のブランデーに合うショコラ。ガス入りミネラルによく合うリキュール等、幅広い知識と技術、そして心遣いが必要です。しかし、ここで誤解があってはいけません。プロのソムリエはあくまでもお客様が自分のレストランを楽しんで帰ってもらうことがすべてだと考えています。決してワインだけを褒めてもらうことではなく、ブラインドテストでワインの産地や銘柄を言い当てるのが仕事でもありません。それらは、むしろワイン鑑定士の仕事であって、ソムリエの仕事ではありません。よほどの味覚が研ぎ澄まされ、官能の優秀なソムリエなら言い当てることが出来るでしょうが、それが出来たから優秀なソムリエとは限りません。 ではソムリエとはどんな利き酒をするのでしょうか? まず、気に入ったお酒を見つけます。産地、価格、味それぞれ見合ったものであり、ワインが健全であるかどうか、寿命や香りの変化を予測します。ワインはお酒の世界の中で最もデリケートなものです。そして、農産物であり、なま物です。したがって、厳密には同じ状況のものを、数多く仕入れることも管理することも完璧には行い得ません。まして、ワインの栓はコルクです。これも生の植物から出来ていて、いつまでも同じである筈がありません。コルクの果たす機能は、長いワインの歴史の中で実に多くの意味をもっています。詳しくはこれからテキストが進むにつれそれらがどんなものなのかを学んでいきますが、コルクもワインと一体で、ソムリエにとって重要な物です。したがって、自分が扱うワインのコルクコンディションは常に気になるものです。 ワインが如何に飲み頃になっていくか、いっまで美味しく飲めるだろうか、美味しいと思って仕入れても一年もしないうちにワインにヘタリがくることがしばしあります。ですから、まず、健康であるか、健全であるかどうかを利き酒することは、マジックのように産地をいい当てることよりももっと重要なことなのです。ソムリエは一般の人よりも安くお酒を仕入れられることが出来ます。そして、それになにがしかの利益を乗せて、お客様に飲んでもらいます。お客様は膨大なワインの中からソムリエが選び管理して、楽しませてくれるからこそ、ワインの仕入れ代金にエキストラを上乗せして支払いをします。ですから、もし、お客様に出したワインが健全なものでなく、楽しむことの出来ないワインだとしたら、これは、ソムリエの仕事が反映されていないことになります。言い換えればソムリエの居る価値がなくなることです。 「わたしの場合、お客様がこのワインちょっとおかしくないかって、尋ねられたら、必ず自分でティステイングして、うんすん言わずに取り替える。」 何のためらいもなくこう言ってのけるのです。最初はえっと思いましたが、これは超が付くほど優秀なソムリエでなければそう簡単には言えないことです。何故なら、たとえ自分自身でチェックをして何ら異状がなかったとしても、もし自分の推奨のワインがネガティブな印象で受け止められたら、お店にとって決してプラスではないからです。ここでお客と張り合うことは実にナンセンスです。そして、本当に優秀なソムリエならお客の選択のワインですら、きっと取り替えるでしょう。ただし、二度目は同じ方法でサービスしません。同じワインでも、サービス方法で随分味や香りが違うことを知っているからです。 こういう事を言うと意地悪な質問があるかもしれませんが、次もおかしいと言われたらどうする?彼はこう答えました。 なるほど、彼にはソムリエがワイン以前にサービス業であることがわかっている。どこどこのシャトゥやドメーヌの何年ものだからどうとかいうウンチクも、時には聞きたくないこともあり、とはいえ確かにそれも楽しいのだが、さらりとしたサービスも時にはとても有り難く、そういう意味では、客筋やどういう心理で来店されているかを洞察するのもソムリエの仕事となります。客に笑顔で接する飲み物のプロ。 ソムリエとは実に難しい仕事であり、これもまた、ワインの魅力に魅せられた人の、まさにワインに身を捧げた人の仕事であるといえます。 4]ワインを楽しむ 前章でも述べたようにすべてのお酒の中で最も味覚の幅が広いのがワインです。味覚の六味のうち辛さ(香辛料等による)を除くすべてがあり、加えて泡や粘性を示すものまで官能のファクターはとても広いものとなります。官能とは、人間の五感を研ぎ澄まし、相対する対象物が与えてくる刺激や感覚をどう感じ取るのかを意味します。 ワインを楽しむには、まず目から始めます。グラスに注がれたワインの色あいや輝き、粘性をチェックし、つぎに鼻で楽しみます。この時はまだワインを回さずに注がれたままの香りを嗅ぎます。そして、こんどはゆっくりとワインを回し、液体の中に隠れている香りを空気に触れさせることにより引き出します。いよいよ口で楽しみます。ゆっくりと下唇にグラスを添えて、舌の上に受け口を作りゆっくりとグラスを持ち上げるようにして、舌の上にワインを乗せるように流し込みます。この時普段よりも百倍ほど早く頭の袖経を回転させ、神経を舌に集中します。なぜなら、初めて液体としてのワインが舌に触れる瞬間を感じ取る行為はワインを味わうのにとても重要なことになるからです。 さらさらと水々しいものやとろりとした粘性をもち重厚でオイリーなものまで色々ありますが、この時に刺激の強いものをアタックがある、弱いものをアタックが柔らかい、全く刺激のないのものには、アタックを持たないと表現します。 アタックの原因は、酸やアルコールの分子の安定度によってもたらされます。安定の違いが味覚にも大きく影響を及ぽします。安定をしていない若いワインや雨の多かった年のワインは、舌の上の味蕾をいきなり刺激しますのでアタックが強いと言われます。これは、ワインの液体としての物理的な特性として舌の上で見抜きます。また、粘性は熟成の度合いを示したり、植えられていた土壌や造り手の考え方等多くのことを知るのに役立ちます。 次に味です。甘い、塩っぱい、辛い、酸っぱい、苦い、旨い、現在は味を示すファクターを六つに分けます。この六つを感じ取ります。六つがどのファクターとして存在するかではなく、美味しくバランスされているかが重要なことです。そして、最後は、喉と脳です。上顎から喉、食道と流れて行くワインを全体が舌になったような気持ちで味わい感じます。このときの官能の時間を長さで表現します。味の切れと余韻の長さ等これらは、すべて時間で言い表します。そして、飲み込んだ後もまだ喉や食道の辺りから、香りや刺激を感じることをアフターと言います。 そして、どれだけ頭脳に情報や刺激を与え心地よい時間を感じさせたかを脳が判断します。美味しく、素晴らしいワインはたった一口でも、本当に心地よい気分にさせてくれます。 この様に文章にして堅い言葉で書かれているとなんだか、訳が分からない気がするかも知れません。実際では、美味しいワインはどう美味しいのか、それを漠然と美味しいというだけではなくて、少しでもその正体をつかみ美味しさの向こう側を覗こうと探求してみてください。ただ、美味しい不味いだけでも半分は到達していますのでご安心を。後は気持ちを持って経験を重ねることが大切です。どんなスポーツや趣味や習い事でも、始めは覚えることが多く大変ですが、ワインはまず、感じることから始めます。それが楽しむことの第一歩でもあり、どれだけ長くワインと関わった者でも感じることがワインの最大の魅力であります。 現代社会において我々の暮らしはつい100年前までの暮らしと大きく変わってしまいました。ものを簡単にだれにでも共通して理解させるため記号や数値に大きく頼るようになり、あやふやなものや曖昧なものが世の中から受け入れられなくなって来ました。味覚や香りは数値には置き換えられない曖昧なものです。美味しい 美味しくないは、個人の嗜好の差もあります。好みの問題なのかも知れません。音楽や文学芸術にあってもその偉大さや本質的な価値を数字や値打ちで言い表せないように、曖昧なものの世界にも絶対に価値や喜びは存在し、数値や視覚表現で慣らされている生き物の感覚を呼び覚ましてくれるものなのかも知れません。元々自然界は曖昧なものばかりです。数値や記号をもたない動物の世界は、触覚や嗅覚でものを見極めます。我々人間は触覚は持ってませんが嗅覚を持っています。ワインの楽しみの半分はこの香り楽しむことです。ぜひこの曖昧な世界で、生き物の持つ感覚を研ぎ澄まし、香りが創り出す大きな宇宙に身を投じてみてください。香りは記憶とつながり大きな思い出になるものですから。 2 ワインとは 1]ワインの歴史 前章で述べたように葡萄の歴史は大変に古く、現人類(ホモサピエンス)よりも遥かに大きく古いもので、例えば葡萄の原生種があり、その花が咲き、実がなり房ができ、その水分が糖分を含んでいたとしたら、その時点でワインが出来たと言えます。なぜなら糖分を炭酸ガスとアルコールに変える酵母菌は、糖分を保有する植物よりも数億年も前から地球上に存在していました。ですから、 人類の農耕が始まった恐らく、一万年前には人間はワインを自ら造り飲んでいただろうと思われます。ビールや日本酒は穀物が材料になるので、毅粉を糖分に置き換える作業が必要となり、これは複雑な工程を必要としますので、自然や偶然に出来ることは稀なことです。作為的に状況を作り上げるには人の英知が必要ということになり、誕生はかなり遅れます。では実際にワイン造りの記録が出てくる最も古い文献は、なんと古代オリエントの「ギルガメシュ叙事詩」(BC2000〜3500)となります。 この世界最古の文学作品は人類最古の文明と言われるチグリス・ユーフラテス河の両河口に暮らしていたシュメール人によって書かれたものとされています。この叙事詩の11章に赤ワインと自ワインが登場します。それは今より4000年も前のことです。当時で既に赤ワイン、自ワインと造り分ける穣造技術を文化的に身につけていたと思うと一体いつ項からワインは造られていたのでしょうか?どのような味のするワインであったのでしょうか? しかし、ここで一つ注目すべきことは、推測ですがこの当時のワインも今のワインもそれほど大きく違わないということです。醸造学などと言いますが、ついこの百年位のことで、未だに足で潜み開放桶で造られているワインが最も美味しかったりします。それは、ワインが誕生したと同時に既に完成された飲み物であり、お酒として過不足なかったことを意味します。それは、単なるジュースという最もシンプルな物の、甘さがアルコールに変わっただけでもあるからです。 もっとも古代オリエントの「ギルガメシュ叙事詩」当時、この頃はまだガラスを生成する文明はなく、粘土を乾かしたり、焼いたりした瓶や動物の草や内蔵が容器として使われていました。たぶん密閉も出来ない容器であったと思われます。多少は酸化したり、アルデヒテックな物が多かったでしょうが、けれど間違いなく葡萄栽培は確立され、造り酒屋が存在し、人々の生活の中で愛されるようになっていました。時は流れ、いつしか何らかの栓も開発されました。この栓の開発の目的は、ワインを守ることよりも毒物の混入を防ぐ為だとも言われています。 歴史の紐を解く醸造用の葡萄(ヴィテス・ヴィニフェラ)の原産地は、南東コーカサス地方で、かなりの時が経ちBC800年頃に、葡萄の栽培や醸遊技術と共にギリシャより、フェニキア人がアドリア海、地中海沿岸とヨーロッパに伝えられたとなっています。恐らく、温暖な海沿い育ちの葡萄が北の山岳地帯に自生していたとは考えずらく、人の手によって植えられ、環境に慣れるまではかなりの時間と進化が必要であったはずです。現在のような醸造学の基礎が築き上げられたのは意外にもまだ浅く19世紀になってからです。フランスの科学者ルイ・パスツールの登場を待たなければなりません。詳しくは、醸造の章で述べることにします。 2]お酒のカテゴリーの中のワイン ワインとは別表に示すとおり、日本語に訳すと果実酒のことです。したがって、果物から造るお酒はすべてワインとなります。ただし、この場合は果物(フルーツ)自身が持っている甘さ く糖分)を単純にアルコールに変えたもの(醸造酒)をワインと呼びます。大ざっぱに果物の定義はまず、自らの糖分を保有し、果実酸を含む水分を確保した植物の実であることとなっています。 そもそも、お酒やアルコール飲料と呼ばれる物、つまり、人間が口にすることができるアルコールはすべて、糖分を発酵させたものに限られます。ワインもこの果物の糖分を発酵させた、果物の果汁、ジュースなのです。したがって果物以外に穀物やアルコールを加えたりすると、甘味果実酒とか雑酒と呼ばれるお酒に変わります。(ビールや日本酒は醸造酒ではありますが、原料が果物ではないのと、水を加えているのでワインとは言えません。) 品名 ワイン ビール 日本酒 ウイスキー ブランデー スピリッツ それでは、まずワインの中身を知ることよりも、お酒とその他の飲み物と何がどう違うか考えてみましょう。 1.お酒は他のほとんどの飲み物よりも腐りにくい。 2.お酒は他のはとんどの飲み物よりも価格が高い。 3.お酒は他のほとんどの飲み物よりも受容のされ方が人それぞれ違う。 4.お酒は他のほとんどの飲み物よりも制約や規制が厳しい。 5.お酒は他のほとんどの飲み物よりも火気を嫌う。 これらはすべて、お酒が他の飲み物と絶対的に違いアルコールを含んでいるということを意味しています。 →1.は、アルコールのもつ防腐性や消音性を意味します。大抵のアルコール溶液は5%のアルコールを含有しておれば、それ程厳密な還元下でなくともほぼ腐ることのない飲み物となります。アルコールが3%を含む食べ物は、まずアルコールが防腐剤の役目をなして腐るのを防ぎます。 →2.は、アルコールを含む封栓された容器の飲み物はすべて、酒税の課税商品となる為、製造段階、若しくは輸入通関時に酒税が加算されているので、他の飲み物に比べ当然高価になっています。 →3.は、お酒はアルコールを含むため、その受容の特性は人それぞれの飲まれ方や酔い方が違います。ある人はとてもお酒に強く、またそうでない人もいますし、単にアルコール度数ではなく、種類や飲み合わせによっても酔い方が異なっていたりします。中にはお猪口一杯のお酒で、目を廻す人もいますから、酔い方や飲み方は人それぞれでまちまちです。 →4.は、本来飲み物などは、個人の自由に飲めるはずなのですが、お酒にはやたらと規制が多く存在します。20歳末満の年齢の者には飲むことも飲ませることも禁じられていますし、車を運転する時も飲んではいけません。また、薬を飲んでいる時や妊娠中にも飲んではいけないとされています。 →5.お酒の中に含まれているアルコールは、非常に燃えやすい性質をもっており約78℃で気体に変わり、沸点以下でも火気を近づけると簡単に燃え始めます。たとえアルコール5%のビールだとしても、ナベに入れ78℃まで熱を加え、炎を近づけると驚くほどの大きな炎が立ちます。特にアルコール度数の高いスピリッツ等は取り扱いなどに注意が必要です。 3]日本のワインの生産と消費 現在、我が国のお酒全般の生産高とワインの消費量は次のようになっています。平成6年度993万9142Kリットルで、恐らく、平成7年度には1000万K月を越えていると思われます。そして、この生産高の内約3/4がビールです。ここ30年間の間お酒の世界は、飛躍的な伸びを続けています。さて、それではワインはというと30年間全く変わる事なく1%を示しているのが現状です。 現在は第五次ワインブームと言われていますが、平成5年度現在での成人一人当たりのワインの年間消費は、1.1リットル(750mリットル一本半)と非常に少なく、お酒の全体の消費量が著しく伸びているにも拘わらず、未だ1%を脱出できないのです。ここ20年ずっと右上がりのビールの圧倒的なまでの消費のされ方は驚異です。全体の消費量の伸び率はビールの伸びに比例しています。 しかし、ワインもここ数年安価な輸入ワインが多く市場に現れ、一般的に普及したのも事実です。ただ、この数字はあくまで消費量であって、ワインの場合料理に用いられることが非常に多いので、それらを差し引くと、やはり日本人の一年間のワインの消費量は、ボトル1本強ということになり、これは本場ヨーロッパ、フランス、イタリアの40〜60分の1ということになります。 さて、生産量は少し複雑になります。我が国では、お酒を管轄する省庁は本来食品なので農林水産省の食糧庁か厚生省の食品衛生局のはずですが、大蔵省の国税局の管轄監視下に入ってるのです。そして、国税局内では、お酒の生産高とは実際に国内で造られものを示すのではなく、日本国内で課税されたお酒のことを言います。したがって海外で造られ輸入されたお酒も日本で課税されると日本における生産量と見なされます。ですから、純粋に国内で製造された商品を厳密に拾い出すのは非常に煩雑なものとなります。なぜこの様なことになったかは、我が国における洋酒の原材料の調達の難しさや、製品の完成度の低さが輸入の原材料や製品に頼らざるを得なかったという理由によります。 以前なら、国産ワインの8割は海外からのバルク・ワインか濃縮果汁を用いており、そして、それらはすべて国産のワインとして紹介され、市場に流れていました。現在でも海外からのバルク・ワインは多く続いていますが、裏ラベルに原材料の原産国が明記されるようになり、皆安心して購入することができるようになりました。 4]先進国のワイン事情 さき程も述べたように、世界的に見ると日本はまだまだワイン後進国で、発展途上と言えるでしょう。では本場ヨーロッパを一番目、アメリカ、オーストラリアをニュー・ワールドと呼び二番目、南アフリカ(チリ、アルゼンチン、南アフリカ等)を第三国と言うことにして、それらの国々の生産高と消費量そして、現在のワイン事情を別表を参考にして、簡単に説明します。 確かに、ワイン王国であるフランスはワインの世界ではNolと言えますが、それではフランス人すべてがフランスワインに詳しいかというとそうではありません。彼らの国は、第一次産業国であり、それは間違いなく農産国を意味します。従って、オラが村、オラがくにの名物、地元意識のはっきりした民族とも言えます。一般にはボルドーではボルドーのワインしか飲まれませんし、ブルゴーニュではブルゴーニュ産のワインしか飲みません。そして、フランス全体では、一般に赤ワインが主流でやはり、大抵のフランス人はボルドーの赤ワインを好みます。 しかし、こんなにも多くのワインの消費量を誇る割りには、ワインに対する執着は余りなく、フランス人だからフランスワインに詳しいとは限りません。我々日本人は食事にお茶を飲みますが、いつも高価なお茶を飲んでいますでしょうか、そして、日本人すべてが日本のお茶の産地に詳しく、まして、日本酒に精通していますでしょうか、それと同じことです。これは、本場ヨーロッパのワイン産出国すべてに当てはまります。むしろ、そうでない南、イギリス、オランダ、ベルギー、北欧諸国の国民の方がワインには多くの関心をもっており、実際に正しい知識と消費の仕方をしています。 余談ですが、現在世界的に見て最もお酒の文化が進んでおり洗練されている国は、イギリスだと言えます。それは古くから世界中を股にかけ貿易によってもたらされた文化が集中したからだといわれています。とにかく、ボルドーはイギリス領であったり、ブルゴーニュは同盟の公国であったのですから、ワインに関しても歴史的に最も詳しい国と言われても不思議ではありません。 ワインの国別の年間生産量(1994年度版) kl=1000リットル 順位 国名 生産量 国名 総量 本数 一月平均
■ワインの楽しみ方 1]ワインはデリケート ワインは瓶詰されてからも、ゆっくりと熟成をしています。それぞれのワインに合わせた保存法と知識を得れば、もっとワインと上手につき合えれるのではないのでしょうか。 ワインにとって大敵なものは、光、熱、臭い、振動、温度・湿度差です。皆さんは、よく冷蔵庫にワインを保存してしまうことはありませんか。冷蔵庫では温度が下がり過ぎる為コルクが乾燥してしまいます。 コルクが乾燥するとコルク栓が抜きにくくなるばかりか、コルクが縮んで空気が入りワインが変質し、周囲のイヤなにおいも吸収してしまいワインに異臭を与えてしまいます。もちろん居間などは温度差も激しく興明がある為ワインには不向きです。でも神経質になることはありません。 2]ワインの飲みごろ ワインは新畔なフルーティさを楽しむタイプのものと瓶に詰めてから、しっかり熟成させ味・香りの豊かさを楽しむタイプのものに分けられ、産地、品種、土壌、年号、磯造方法タイプ(赤・白・ロゼ・発泡酒・酒精強化酒)によって飲みごろは異なります。 大きくは、敢・アルコール・渋味の3つの関係から成り立ちます。従って、白ワインほ、渋味のない分飲み頃は早く、もしくは、予想しやすいものです ワインの新鮮さ、フルーティーな味わいを楽しむ(早のみタイプ) シュール・リー 1〜2年 熟成させ味・香りの豊かさを楽しむ(瓶熱タイプ) ボルドー白(辛口) 2〜5年 シャトーもの 3〜8年 甘口2・3〜30年 ワインのおいしい飲みかた それぞれのワインには飲むのに適正な温度があります。もし白ワインが温かいまま出されると、さえない気の抜けたものに感じられたり、冷たい赤ワインは香気もフレーバーもほとんどなく渋味が増してしまいます。 辛ロの白ワインやロゼワインは、ワインクーラー(氷と水の)でワインボトルの肩まで冷やせば20分位で適温になります。又、軽い赤ワインでも暑い夏などは冷やした方がおいしく感じられる時もあります。赤ワインを室温になじませる事をシャンプレといいますが、1時間くらいで適温になります。ただし急激な温度変化だけはしないでください。他に、ブドウの出来のよい赤ワインが20〜30年寝かされオリがたくさん溜まった時、ワインのオリを除く為や眠っていた香りを空気に触れさせワイン本来のブーケを出させる為にデカンタージュという作業もあります。ワイン自体は、酸性ですから、これにより、本来中性のはずのアルコールや香りのもととなるエステルを空気に触れさせ還元してやるのです。 ワインのサービス温度 複数のワインを供する時 パーティや試飲会などで皆がいろんなワインを持ちよった時、どれから飲もうか?と迷ってしまったことはありませんか。迷った時にはこんな感じにどうぞ。 1.白ワインから赤ワインへ 何故かフランス料理のコースメニューに比例していませんか? ワインを飲み残したら 一度開栓したワインが残ってしまった。こんな経験は誰にでもあるともいます。たしかに風味も落ちますし空気に触れる事によって酸化してしまいます。でも翌日くらいは大丈夫です。又、ぜひワインを使った料理にも挑戦してみて下さい。
■ワインの味覚と相性 おいしい食べ物というのは、甘いだけでも、塩辛いだけでも、ダシ味だけでも、酸っぱいだけでも、もちろん苦いだけの味なんて絶対成り立ちません。そして、相性とは、一体どんなものでしょうか? 簡単には答えられませんが相対するものの価値を引き立て合ったり、壊し合ったりする関係を言うのではないでしょうか。 100%の定義になっていないかも知れませんが、ワインと料理の相性とは、この程度でいいと思われます。しかし、この程度と言いましたが、実は、たくさんの相性法があるのです。大きく分けて、対比効果、相乗効果、抑制効果、変換効果この四つが相性の妙を作り出す手段であり、プロのソムリエのテクニックです。 二つ以上の味覚を混合する場合には、同時に混合する物や、別々に味わいを対比させる場合があります。ワインと料理の場合はどちらかが口の中に有る時はその片方は、テーブルの上に有るのです。同時に口の中に入れて美味しさを味わうことは本来人間の舌では難しく出来ています。 したがって大半が別々に対比する形が好ましいのです。先程シンプルな組み合わせは容易だと言いましたが、次のようなデータが出ています。 テーマ‘甘さを楽しむ’ 甘みの順位
この結果から、対比させればよいかというものではない事が分かりました。 文字通り塩梅とはこのことです。 参考のために以下のような混合効果を明記しておきます。 対比効果 甘味と塩味(スイカと食塩)
それでは、具体的にワインがどれだけの味の幅を持っているかを学びます。
例えば 煮付けに使用するミリンの甘さは、1リッター当たり150〜200グラムの糖分を含んでいますが、ワインは1リッター当たり2〜280グラムまでの糖分を含んだものがあります。しかも大半の味醂の糖分は庶糖が成分とされますが、ワインの場合薦糖よりも約1.6倍も甘い果糖が成分とされます。
☆辛さ 香辛料的刺激 これだけは、ワインの味の中に見つけることが難しい味覚です。ただし、まったくない訳ではありません。除梗せずに醸した若い赤ワインや腐敗した果実の混入したもの、火山灰や溶岩土などで育ったブドウにごく稀に見られます。この他に品種にもよりますがフェノールやカテキン顆を多く含んだブドウに若干感じられることがあります。ただし、こう言った味のするワインはあまりいい評価を得られません。やはりワインの世界では、刺激味は料理でもワインでも味を壊すものと考えます。その部分においては、大変デリケートなものなのです。しかし香りにおいては、まさに香辛料そのものの香りがするのがワインです。グラスから立ち込める香りに関しては、はとんどのスパイスの香りを奏でることができます。そして、その香りが複雑であればあるほどよいワインだと言えましょう。 ☆塩辛さ これは、植えられていた土壌によりゴクゴク微量に塩化ナトリュウムが果汁の中に含まれることがありますが、殆どは、醸造に使われる卵白やタンパク質から解け出します。非常に稀ですが、ワインによっては多く含まれている窒素成分と相侯ってかなり塩辛く感じるものまであります。この感覚は酸の多い少ないによっても違い、比較的酸の弱いものに多く感じられます。ちょうど一流料亭の品の良い塩を押さえたお澄ましの様な塩の感じ方に似ています。自ワインよりも赤ワインに見うけられる現象です。 ☆酸 これこそがワインの味覚を形成する重要なファクターです。果実酸と呼ばれる数種類の酸と、その他にも多くの種薪の有機酸をワインは保有しています。代表的な果実酸は、リンゴ酸、クエン酸、ビタミンC(アスコルビン酸)酒石酸で、醸造によって作られた有機酸は、乳酸、酢酸、グルコン酸、、コハク酸となります。アミノ酸は、果汁内にも存在しますし、酵母菌の代謝によっても増加するものもあります。ここでとても重要なキーポイントがあります。果実酸と呼ばれている酸たちは、冷やすと美味しく、暖めると収敏性を帯びてくることが特徴です。それとは逆に髄造によって作り出された酸たちは、比較的高い温度(ワインにとって高い温度とは、17〜22度が範朗。)で美味しく、それ月下ではこれも刺激的な酸となり、好ましくありません。ワインの中に含まれている酸は、大抵の和食に使われる酸を持っています。梅やカボスのクエン酸、酢の物の酢酸、醤油の乳酸、この他に牡蛎の旨味のコハク酸等いろいろと味の決め手となる酸を含んでいます。 このようにワインに含まれる酸は、熟成とともに色々と変化をなしていきます。まだ若いワインのうちは、大変、酸の刺激の強い感じ方をしたり、また実際に特定の果実酸が値として十分その形を示したまま残っていたりしますが、多くの有機酸(カルポン酸、オキソ酸)は特にアルコールや乳酸などと結び付きやすく減少したりしますし、時が経つにつれエステル反応により和らいでいったりします。 ☆旨味 高級ワインであるかそうでないかはこの部分で大きく決まります。いくらしっかりとしたアルコールと酸と糖分をバランス良い値で確保されていてもこの旨味がなければ、うすっペらいワインにしかなりません。高級で偉大と呼ばれるワインはこの部分がワインにとても良い肉付けをしているのです。それでは、具体的に例をあげてみましょう。無味無臭無色の純粋アルコールにクエン酸、乳酸、酢酸をワインに含まれていだけの量(ものすごく微量です。)加えて、最後にこれも僅かな糖分を加えます。分かりにくければ、次のような欧み物を想像してください。ティカップに100CCの水、レモン1/5の搾り汁、お酢2滴、ヨーグルト耳かき2杯、砂糖耳かき2杯、最後に50度のウォッカを40CC加えた物がおおざっぱなワインの成分に匹敵します。想像して見てください。こちらの万が分かりやすいはずです・・・・・。
☆苦味、渋味 これもまた重要な味覚の中の一つで、苦味や渋味等は無くてもいいんじゃないかと思われますが、実際には、無くてはならないものなのです。例えば、上のようなコクのある物には、酸や渋味が有ることにより、味の輪郭が出来て厚みが有っても酸や渋味が心地よいものとしてくれます。色素となるアントシアンを含めて、ポリフェノールは、タンニンやリグニン、カテキン等からによります。線の和え物等の苦味は、カテキン等によるもので、ゴマや味噌のクドさを打ち消すものになっています。 以上のような味のファクターがあり、こんなに色々の味をもつワインは、組み合わせがうまく合った時はどんなお酒よりも美味しく、料理もワインもよりいっそう美味しくなります。 これをフランスではマリアージュ(mariage=結婚)と呼んでおります。さあ、ここからは皆さんの経験が必要となりますが、簡単な6つの注音事項をお伝えします。まずは、 1.このワインのアタックは、柔らかか、逆に強いものか、(気泡の有無も) これら要点がつかめ、関連性が思い浮かべられるようになれば、マリアージュのコツの8割は把握できます。実際これらの官能が身につくようになるには、人にもよりますが大体、500種1000リッター前後を経験すればおばろげですが分かるようになります。もっとも官能に優れた人がつぶさに教えてくれるような場合はもう少し早くなります。例えば、皆さんの中で、ソムリエを目指したいと考える方がいらしたら、プロの最も入り口で、1000種 10000リッターは必要でしょう。 これは一見膨大な数のようですが、プロの買い付けなどでは、一日に50〜100種は、利き酒をしますし、また、試飲会などでも10〜30種は出て釆ますから、それほど多くの日にちはかかりません。何事も−一長一短では成りませんが、楽しみながら真剣に進んで行けば、遅い人でも2・3年で達成できます。ただ、やたら種頻を多く飲むよりもある程度好きな銘柄とか、好きな年を4・5回に1回は入れられた方がより理解が早くできます。 何よりもセンスある人や官能力が優れた人と飲む機会を作ることです。誰もが最初はビギナーなのですから、先輩やソムリエや専門家に正しい知識とノウハウを戴き自分なりでも結構ですから、整理して考えましょう。それが出来るようになると後は、自然と何も考えなくてもワインや料理が浮かんでくるようになります。それでは、どうしてこの6つ注意事項が重要なのかを説明致します。 1,が強いようでは、デリケートな食材やソースには合わせ辛い。例えば、脂肪分の少ない食材やアミノ酸等の旨味成分の低い物、歯ごたえの少ない物。鳥肉や自身の魚、野菜やパスタが多い料理。ソースでは、ビネガーやベルモット、シェリーなどが用いられ、粘りのない味の弱い物等には全く不向き、逆にアタックが柔らかく、優しい物は、デリケートな食材にもよく合い、アルコールやコク次第では、脂肪の多い物や、旨味成分の高い物も良く合わせられます。 2,甘さは先程述べたように混合効果を想像してみてください。相性には酸との兼ね合いも忘れずに検討してください。 3,は少し経験を必要としますが、まず、ワインの中の酸が果実酸であるかどうかを見極めます。ここで人の味覚の約束事を頭に入れておいてください。果物のもっているいる酸は、冷やすと美味しい酸なのです。それとは逆に醸造や熟成において出来る酸は、ワイン温度では高い温度で美味しい酸なのです。したがって、リンゴのような酸(リンゴ酸)、柑橘類(クエン酸)のような酸、ビタミンC(アスコルビン酸)のような酸、もっともこのアスコルビン酸はブドウの中には、含まれておりませんが、ごく稀に添加されるものが有ります。 それと、ヨーグルトのような比較的柔らかでスムーズな酸(乳酸)は美味しさを作り出すのに温度も相性も違います。それと酸の切れ方も重要です。例えば後者は、歯ごたえのある素材にも味を大きく変化させませんから、マツタリとしたソースでも対比出来ます。逆に前者のようなタイプは、生ガキなどにはムスカデのような切れのいい冷やすと美味しい酸のワインがベストと言えます。 4,ワインのコクや時間の長さは、やはり食べ物の仕上がりの軽さや重さに比例します。どんなに味覚の塩梅がうまくいっても、官能の時間がずれていれば、物足りない物になります。いくらワインもまったりしているからといって、重たい料理に全て合うとは限りません。逆にくどくなることもあります。これは、あくまで筆者自身の経験上のデータなのですが、料理、ワインともに軽いものを1として最も重いものを10とします。筆者は、この二つの和が絶対に17を越えないように選びます。それと常にワインは、料理のマイナス2のレベルで選びます。こうすることによって常にワインが流れの良いもので楽しめます。 二つの和が16ぐらいまでは何とか同等でも飲めるのですがそれ以上は、最後に勉きたり、くどくなってしまいます。ワインの重さと官能時間はやはり重要です。 5,これは、味覚ではなく嗅覚から相性を判断する方法ですが、例えば、こんな場合でも結び付けます。 鱒のムニエルにボジョレーの赤。この二つには、共通の香りはどこにも見当たりませんが、実はとても良く合うのです。まず、料理の川魚のムニエルとは、フィルタージュ(掃除)された鱒の身をミルクにアンビバージュ(ひたす)します。10分ほどしたら、ミルクから取り出し、それを塩・コショウしファリネ(小麦粉)し、バターで表面が狐色になるまで中火で炒めます。このときにラム酒かトリプルセッタを大体一杯振りかけ、レモンを惑えてできあがりこの料理の味覚は、比較的柔らかでかむのに時間のかからない素材。乳分と脂肪と塩とコショウとレモンと微かな甘み。 ポジョレーは時として、バナナの香りがします。実を言うとこの相性は味覚のファクターより単に香りの相性だけで判断してみました。鱒は、よくバナナのと一緒にソテーされたりします。したがってバナナの香りのするポジョレーは香りだけは間違いなくうまく合う。後は、味覚。これも探ってみると全くどころかベストです。まず、香りの関連性から拾い出すのも一つのコツです。味覚が合っても香りが合わないと食事は、楽しくなりませんから。 6,同じ調理法や同じ味付けでも、素材・食材によっても随分違ったワインとの取り合わせになります。当然咀嚼の回数が多いとゆうことは、その分口の中の唾液とよく混じり合い、口の中での味覚も広がります。これによって、ワインも変化します。意外にも固さのある食材には、切れのあるワインが好ましく、柔らかくそれでいてマッタリとした食べ物には、やや粘性のある酸の穏やかなものが互いにぶつかりません。 以上の事をマリアージュの6原則と呼ぶことにしましょう。さあこれで大半は、料理とワインが結婚できました。しかし、残りの2割はどうすれば結婚できるのでしょうか? 理由有りなだけです。複雑なのです。 実際に一口に料理と言いますが、素材が多くなればなるほどテーマがより創作的にもなり、異なった持ち味が一つの皿に乗ることが高級レストランでは、多々あります。こうなると本当の意味での料理とワインの掛け算は難しくなります。つまり、野菜が野菜の形で料理に一緒に入っていたり、香辛料や果物のソースや甘いもの辛いもの、香りも色々な芳香や、グリコーゲン質と乳酸質が一緒になっていたりするとワインは絞りづらくなります。これは、もうまったくトライ&エラーを繰り返し発見するしか有りません。それはまた探求する楽しみにもつながります。勿論ソムリエたちは、自分の築き上げたノウハウを多くもっています。彼らに相談されるのも一つの手でしょう。 (おわり) Copyright(c). 2003-2007 La Tache..All rights reserved.presented by WBLTJ
■ビンテージチャート Copyright(c). 2003-2007 La Tache..All rights reserved.presented by WBLTJ
■教育メソッド 導入教育 メソッドのスタートはワインという液体を知ることから始めます。 当校のレクチャーではワインの原材料はブドウではなく、その畑の水分や地下水が原材料から教えます。
何故なら世界中の多くでは作られるワインの名前は全てが地名となっているからです。 テイスティングの基本 環境、体調、グラス、視覚、嗅覚、味覚、酔覚 これらは経験的学習です。その中でも意外に知られていませんが、環境と体調は極めて大きな影響があります。きちんと周囲の環境と自己の体調を把握しましょう。そして、知的学習としては、ワインを構成する5つの要素を学びます。天候、土壌、品種、栽培、醸造。これらを一つずつ分かりやすく掘り下げていきます。 上級クラス 最大の特徴 そして、このメソッドの最大の特徴は非常に優れた、貴重で高価な教材が用いられることです。中には大変古いものや世界を代表するリーディングワインなど。一授業平均アイテム4から6本¥5000から¥20000−までのもので進められています。
■講師経歴 1985年からサントリー・ソムリエスクール講師 10数年 詳しくは・・・ Copyright(c). 2003-2007 La Tache..All rights reserved.presented by WBLTJ
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